07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

現代思想

2009/09/06
やっぱりマイケルの世界に浸かってると心地良い。
そして、その理由を知りたいがために、私は探求し続けます。


現代思想2009年8月臨時増刊号 総特集=マイケル・ジャクソン現代思想2009年8月臨時増刊号 総特集=マイケル・ジャクソン
(2009/08/11)


商品詳細を見る


評論家からみた「マイケル・ジャクソン論」をまとめた冊子。
マイケルの死をひとつの現象と捉え、社会に与えた影響について持論を展開する。

全28人の寄稿者(対談含め)の内、音楽関係者はわずか5人ほど。
しかも、ほとんどの人がマイケルそっちのけで時代背景ばかり語っている。
「ほんの少し、小遣い程度のお金を稼ぐために原稿依頼を引き受けたのだ。」
と、ビックリするほどはっきり言ってのける人もいれば、
「僕は彼のためになら天国があるという方に全部賭ける。」
という嬉しい人もいる (私も全部賭けるよ!)
総じてファンではない人が集まってるようなので、傷付くことは覚悟で読み進めた。

以下は、本書のレビューというより、
本書を受けて、私なりの「マイケル・ジャクソン論」をまとめたものである。

ところで、社会に与えた影響の大小を考慮すると当たり前のことだが、
私にとってはBADより味わい深いInvincible、Thrillerより美しいGhostsについて、
全く言及されていないことには寂しさを感じた。

一通り読んで、やはりマイケルの代表曲は「Black Or White」だと思った。
マイケルは人種差別に対して、次のように訴えている。
「そんなことに時間を費やすべきではない。他にやるべきことがあるはずだ。」
マイケルは音楽に対しても、レッテルを貼ることを批判し続けていた。

本書では、「自分は白人になりたがったくせに、キレイゴトを言うな」
という単細胞な批判はさすがに少なかったが、理解を示すものも少なかった。
人種差別に直接触れる機会のない日本人にとって、マイケルの変化に抱く嫌悪感は、
整形そのものに対してであり、人種差別とは別問題である。
同じマイナス要因だからといって、単純に両者を結び付けてはいけない。
人種差別に言及するなら、あらゆる人種の声を平等に聞いてみてはいかが?
「黒人はマイケルのことを誇りに思っている」。私には、この事実だけで十分である。

私は、マイケル自身の変化は「美意識に対する自己表現の極み」だと思っている。
本書で紹介されてる論文では、この考え方は「構築主義」と定義されている。
逆に、多数派の「白人への迎合だ」と批判する立場は「本質主義」としている。
(○○主義うんぬんの詳細は知りません。論文をご参照下さい。)

さて、音楽に通じている人(大体は白人ロックのファン)にとってのマイケルは、
視覚的な表現が邪魔だとか、人工の産物であり魂を表現していないとか、
音楽界に大きな革命を起こしたわけではないとか、散々な言われようだ。
そうだとしたら、この世界中の人々の熱狂は何なのか?
ひとつに、マイケルの音楽は、ミュージシャンでもリスナーでもない人間に、
純粋に「歌う楽しさ」や「リズムに乗る喜び」を教えてくれたと思う。
私に、好きな音楽を探求するキッカケを与えてくれた。
それまで沈黙していたCDプレーヤーが、今は四六時中マイケルを歌い続けている。

マイケルは、自分の性格を構築する暇もなく、物心ついたときから生涯を通じて、
「マイケル・ジャクソン」というキャラクターを演じていたのだと思う。
ステージ上では、考えうる最高のポップ・スター像を、見事に完璧に構築していた。
しかし自身のアイデンティティは、私生活を見れば、極度に不安定だったことが分かる。
例えば、本書でも数人が論じているが、マイケルは「無性愛者」だったかも知れない。
又は、あまり欲求がなかったか。食にも無関心だったので、それと関係してる気がする。
そのおかげでステージ上では、極めてセクシーだけど決して淫らではない、
華やかで爽やかで上品な「男性」としての魅力を演じることができた。
しかし、プライバシーが皆無の状態なので、ステージを降りても演じ続けなければならない。
ネバーランドに引きこもってマスコミをシャットアウトするのも、ごく自然な行動だと思う。

「熱狂的ファン」と「金銭目当ての敵」に、生涯にわたって取り囲まれてたマイケル。
ポジティブな意味でもネガティブな意味でも、マイケルはあらゆる人間の欲望の対象だった。
ゆえに一人の人間の死が、全人類の数パーセントにも及ぶ人間の心を動かした。

こんなに魅力的なマイケルの評価が、この本にあるような悲しい結論のままだと思いたくない。
本人不在で後年の評価を変えるのは至難の技かも知れないが、私は祈っていたい。


ここまで付き合ってくれた人っているのかな?
ダラダラな文章を読んでくれてありがとう :)
スポンサーサイト
18:21 review | コメント(4) | トラックバック(0)
コメント
とても納得、な記事でした(^^)
納得どころが沢山でした。
また読ませてください♪
ありがとうございます!
マイケルを信じていいのか不安になる時も、たまにあるのですが、
(結局はメディアからの情報しか知らないので)
マイケルは「Before You Judge Me Try Hard To Love Me」
って言ってるので、信じていこうと思います (^^)
ticaさんの長文は、正直で説得力があり
読み応えがありました。
有り難うございます♪

>極めてセクシーだけど決して淫らではない

これ納得です。

悪意のない誰かのことを、敢えて「評価するに足りない」と語る人は、
逆に、無視できない気持ち(嫉妬或いは羨望)を
抱えていることが多いような気がします。

マイケルについて調べるための資料が、
ネットのあちこちで探せるという幸せな時代。
その分、情報を精査し洞察力を働かせることも
必要になってくるのでしょうね。

私たちの時代は「足」と「人脈」しかなかったので時間がやたらかかりました(笑)
読んでもらえるだけで嬉しいです♪
正直な気持ちを言葉に変換するのって、なかなか難しいですよね~。

>悪意のない誰かのことを、敢えて「評価するに足りない」と語る人は、
>逆に、無視できない気持ち(嫉妬或いは羨望)を
>抱えていることが多いような気がします。

そうなんですよね!
実は、ずっと心に引っ掛かってたことなんです。
例えば、もしマイケルが女性だったら、こんなにバッシングを受けたでしょうか?
男性優位の社会です。「嫉妬心」が根本的な答えのように思えます。
負けを認めるのはプライドが許さない。
だから、もっともらしい理由を探して批判する。
そもそも「勝ち負け」という概念を捨てるべきですよね。

「足」と「人脈」の方が羨ましいですよ~。
素敵な青春時代を過ごされたんですね!
私はもう、生のマイケルに会う機会がないですから (´_`)

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。